HubSpot Service Hub — 問い合わせ一体管理の導入設計

DIAGNOSIS HUBSPOT SERVICE HUB

DIAGNOSIS RESULT
ツール選定

問い合わせ対応をCRMと一体管理したい方へ
HubSpot Service Hubが向いている理由

問い合わせ履歴と顧客情報を同じ画面でつなぎ、
引き継ぎミスと対応漏れをゼロに近づけます。

あなたの状況

診断の結果、あなたの組織では問い合わせ対応の管理を、顧客情報(CRM(顧客関係管理システム))と一体化して運用する段階にあります。
現在、問い合わせをメールやチャットで個別対応しており、「誰がどの案件を担当しているか分からない」「過去の対応履歴が探せない」「担当者不在時に対応が止まる」といった課題がある場合、HubSpot Service Hub(HubSpotの顧客サポート管理機能)によるチケット管理が有効です。

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分断管理がもたらす4つの損失

これまでの支援実績の中で、問い合わせ管理とCRMが分断されている企業に共通する損失です。

  • 対応漏れによるクレーム:問い合わせがメールの受信箱に埋もれ、返信が遅れることでクレームに発展する
  • 担当者不在時の二重対応・放置:誰がどの案件を担当しているか見えないため、同じ問い合わせに2人が返信したり、誰も対応しないまま放置される
  • 重要顧客への連絡が埋もれる:すべての問い合わせを同じ優先度で扱うため、大口顧客や緊急トラブルへの対応が後回しになる
  • 営業への引き継ぎ事故:サポート対応中に営業案件(追加契約・アップセル)の兆候があっても、営業に伝わらず機会損失になる

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サポート体制に問題がある5つのサイン

以下に心当たりがあれば、問い合わせ管理の仕組みを見直す必要があります。

  • チャットやメールで「あの件どうなった?」と進捗確認する頻度が高い
  • メールのCC漏れで、対応状況が一部のメンバーに伝わっていない
  • 過去の対応履歴を探すのに5分以上かかる
  • 問い合わせ対応時に、その顧客の契約プランや利用状況を把握できていない
  • 同じ質問に対して、担当者ごとに個別対応しており、回答が統一されていない

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問い合わせ管理の最小設計テンプレート

Service Hubで問い合わせ管理を始める前に、以下の6項目を定義してください。完璧を目指さず、まず暫定で決めて運用を開始し、週次で見直します。

問い合わせ管理 最小設計テンプレート

1) 問い合わせ分類(種別):
2) 優先度とSLA(対応期限):
高:即時対応(目標○時間以内)
中:通常対応(○営業日以内)
低:要望対応(○営業日以内)
3) 必須入力項目:
4) ステータス遷移(未対応 → 対応中 → 保留 → 完了):
5) ナレッジ化ルール(FAQ化の基準):
6) 週次見直し項目:

記入例(従業員30名・BtoB SaaS企業の場合)

1) 分類:不具合報告 / 使い方の質問 / 請求・契約 / 解約相談 / 機能要望 / その他
2) 優先度とSLA(Service Level Agreement:対応品質を保つための期限付きの約束事)
 高:サービス停止・データ消失 → 一次回答1時間以内
 中:機能不具合・使い方不明 → 一次回答1営業日以内
 低:機能要望・改善提案 → 一次回答3営業日以内
3) 必須入力:件名、顧客名、種別、優先度、担当者、期限、ステータス、次アクション
4) ステータス:未対応 → 対応中 → 顧客確認待ち → 完了
5) ナレッジ化:同一質問が3件以上発生したらFAQ記事化を検討
6) 週次見直し:未対応チケット、期限超過チケット、再発案件の棚卸し

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抜け漏れゼロの必須入力項目

チケット(1件の問い合わせを管理する単位)を作成する際の必須入力項目と、その目的を整理します。項目は5〜8個に抑えてください。多すぎると入力が後回しになり、管理が崩壊します。

  • 件名:内容が一目で分かるタイトル。「エラーが出た」ではなく「ログイン時に500エラーが表示される」のように具体的に
  • 顧客名:CRMの顧客データと自動紐づけ。過去の契約情報・対応履歴が即座に参照可能になる
  • 種別:不具合/使い方/請求/解約/要望/その他。集計・分析の基盤になる分類
  • 優先度:高/中/低。対応順序を決めるフラグ。SLAに連動させる
  • 担当者:チケット作成時に必ず割り当て。「誰も担当していない」状態を防ぐ
  • 期限:一次回答または完了の目標日。優先度に応じて自動設定するのが望ましい
  • ステータス:未対応 → 対応中 → 顧客確認待ち → 完了。進捗が一目で分かる
  • 次アクション:「顧客に確認メール送信」「エンジニアに調査依頼」など、次に何をすべきかを明記

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優先度とSLAの設計

すべての問い合わせを同じ優先度で扱うと、重要顧客や緊急トラブルへの対応が遅れます。優先度に応じた対応期限(SLA)を設定し、チームで共有してください。

  • 高(緊急):サービス停止・データ消失・セキュリティインシデント。一次回答1時間以内。対応者をSlackで即アサイン
  • 中(通常):機能の不具合・操作方法の問い合わせ。一次回答1営業日以内
  • 低(要望):機能改善の要望・一般的な質問。一次回答3営業日以内

SLAの目標値は最初に「達成できそうな水準」で設定し、実績データを見ながら四半期ごとに引き上げてください。最初から厳しすぎる目標を設定すると、形骸化します。

※ エスカレーション(対応の引き継ぎ。担当者では解決できない場合に上位者や専門チームに引き継ぐプロセス)のルールもあわせて定義してください。「高」優先度で30分以内に応答がない場合はマネージャーに自動通知、のように設定します。

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対応履歴をナレッジに変える仕組み

問い合わせ対応は「その場しのぎ」で終わらせず、「対応しながら資産を貯める」運用にすることが重要です。Service Hubのナレッジベース機能を活用します。

  • FAQ化の基準を決める:同じ質問が3件以上発生したら、FAQ記事の下書きを作成する。完了したチケットの回答内容をベースにする
  • ナレッジ記事のレビュー体制:下書き → チームレビュー → 公開のフローを作る。技術的な内容はエンジニアが確認
  • 定期的な棚卸し:四半期ごとに既存のFAQ記事を見直し、古くなった情報を更新・削除する

ナレッジが蓄積されると、「よくある質問はFAQへ案内 → 対応者は複雑な案件に集中」というサイクルが回り始め、対応品質と効率の両方が向上します。

用語解説

Service Hub
HubSpotの顧客サポート管理機能。チケット管理、ナレッジベース、顧客満足度調査、SLA管理などを提供します。CRMと統合されているため、問い合わせ対応中に顧客の契約情報や過去の商談履歴を同じ画面で確認できます。
チケット
1件の問い合わせを管理する単位。件名・種別・優先度・担当者・ステータスなどの情報を持ち、対応の進捗を可視化します。メールでの問い合わせを自動でチケット化することも可能です。
SLA(Service Level Agreement)
対応品質を保つための期限付きの約束事。「優先度・高の問い合わせは1時間以内に一次回答」のように、優先度ごとに対応期限を設定します。
エスカレーション
担当者では解決できない問い合わせを、上位者や専門チームに引き継ぐプロセス。SLAの期限内に解決できない場合に自動的に発動する仕組みを作ることで、対応漏れを防ぎます。
ナレッジベース
よくある質問と回答をまとめたFAQ集。顧客が自分で解決策を探せるようにすることで、問い合わせ数を減らし、対応チームの負荷を軽減します。
CRM(Customer Relationship Management)
顧客関係管理システム。顧客の連絡先、契約情報、商談履歴、対応記録を一元管理します。Service Hubと同じ基盤で動くため、チケット対応中に顧客の全情報を即座に参照できます。
CSAT(Customer Satisfaction Score)
顧客満足度スコア。問い合わせ対応後にアンケートを送り、対応品質を定量的に測定します。Service Hubの標準機能で自動送信・集計が可能です。

よくある失敗と対策

入力項目が多すぎて、チケット作成自体が負担になる

必須入力項目は5〜8個に絞ってください。「あれば便利」な項目は任意入力にし、入力率を見ながら判断します。最初は件名・顧客名・種別・優先度・担当者の5項目でも運用できます。

担当者が割り当てられないまま放置されるチケットがある

チケット作成時に担当者の割り当てを必須にしてください。自動割り当てルール(例:種別「不具合」はエンジニアチーム、「請求」は管理部門)を設定し、「担当者なし」のチケットを毎日チェックするダッシュボードを作ります。

期限が設定されておらず、優先順位が分からないまま対応する

優先度に応じてデフォルトの期限を自動設定してください(高=作成から1時間後、中=1営業日後、低=3営業日後)。期限超過チケットをダッシュボードで可視化し、毎朝の確認を習慣にします。

次にやること

最初の7日間
  • 上記テンプレートで問い合わせ分類・優先度・必須項目を決める
  • チケット管理を開始し、すべての問い合わせをチケット化する運用を始める
  • 週次のチケット棚卸し(未対応・期限超過の確認)を定例化する
30日以内
  • 頻出する質問(3件以上)のFAQ記事を作成する
  • ダッシュボードを構築する(未対応数、期限超過数、種別別集計)
  • SLAの目標値を実績データと照らし合わせて調整する

これを書いた著者

小長谷直登のイメージ
株式会社ユニバーサルマーケティング代表取締役|ビジネスアナリスト
小長谷直登
1984年神奈川県足柄上郡生まれ。
広告・マーケ・インサイドセールス・営業・サポートを横断して、KPI定義・計測・運用ルール(MOps/RevOps)の整理と改善設計を支援しています。

WEBマーケティングとシステム開発で66社のビジネスを支援。SEOに強い会員サイトの構築を得意とし、新規会員獲得と既存顧客のLTV改善に寄与。

stripeを使った月額課金システムやキントーンやsalesforceとの連携。実績として動画配信サイト、ポイントシステム構築、フリマサイト、旅行予約サイト、オンラインサロン、モノのサブスクなど一般消費者向けのサービス設計とサイト設計を得意としています。
2025年7月 AIパスポート取得済

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