
ホームページリニューアルの全手順|目的設定から優良な業者選びのコツまで
ホームページのリニューアルは、ブランドイメージの刷新やSEO対策の向上、ユーザビリティの改善といった明確な目的を持つことが重要です。また、達成したいことを具体化しておくことで、リニューアル後の効果測定や改善点の把握が容易になります。
この記事のポイント
- リニューアルの目的とタイミング、主なメリットを理解できます
- 計画立案から公開後の運用までの手順と費用・期間の目安を学べます
- 委託先の比較や準備状況の診断ツールで、自社に最適な進め方が分かります
1.リニューアルのメリットとタイミング
1-1.リニューアルの主なメリット
リニューアルによってブランドイメージを最新のものに合わせ、ユーザーの信頼を高めることができます。また、ページ構造や内部リンクの見直しによりSEO効果が向上し、検索順位が上がる可能性があります。さらに、スマホ対応やページ表示速度の改善によってユーザビリティが向上し、問い合わせ件数やCVR(コンバージョン率)が増加します。
1-2.リニューアルが必要なタイミング
- デザインが古い
- 全体的に使いにくい
- CMSが古くセキュリティ面が不安
- スマホで見づらい
- 更新作業が煩雑である
- 問い合わせ数が減っている
- アクセス数が減っている
こういった状況はリニューアルのサインです。アクセス数や問い合わせ数が減少している場合も、内容や導線を見直す良いタイミングです。
2.リニューアル前の準備
2-1.現サイトの課題を把握する
リニューアルの最初のステップは、現行サイトの課題を把握し、なぜ新しくする必要があるのかを明確にすることです。
リニューアルを成功させるには、現状分析と目標設定が不可欠です。
2-2.現状分析の方法
アクセス解析ツールやヒートマップを用いてユーザーの行動を分析します。
使うツールはGoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールを使います。どちらも無料のツールで多くのサイトが使っているツールなので導入することをおすすめします。
問い合わせフォームの入力率や離脱ポイントも確認し、改善すべき要素をピックアップします。
ページごとの閲覧数や直帰率を確認し、ユーザーがどこで離脱しているかを把握します。社内外の関係者や既存顧客にヒアリングを行い、デザインの古さや情報の見つけにくさなど具体的な不満点を洗い出します。これにより、改善すべきポイントが明確になります。
データを集めるために、導入して一か月間はデータを集めを行ってください。
2-3.参考になる競合サイトを見つける
ビジネス上の競合サイトやデザインが参考になるサイトを見つけてください。
競合サイトにあって自社サイトにない機能のピックアップ
競合サイトと比べて自社サイトの見ずらい点をピックアップ
参考サイトと自社サイトの差分をWEBデザイナーに伝えることで、発注者のイメージに近いサイトが出来上がることはもちろん、デザイナーの工数削減により納品までの期間が短縮することもあります。
2-4.リニューアルの目標を決める
目的に合わせてPV(ページビュー)、CVR(コンバージョン率)、平均滞在時間、問い合わせ件数などのKPIを設定します。
例えば、リニューアル後6か月以内にアクセス数を20%増加させ、問い合わせ件数を月10件から30件へ増やす、といった具体的な数値目標を定めます。
これにより施策の優先順位が決まり、成果を測定しやすくなります。
3.リニューアルの手順
ここでは、企画から公開までの手順を4つのフェーズに分けて解説します。
3-1.企画と要件定義
最初にリニューアルの目的とターゲットユーザーを整理し、サイトマップとページリストを作成します。必要な機能やコンテンツの要件をまとめ、予算とスケジュールの枠を設定します。関係者間で認識を揃えるために仕様書を作成しておくと進行がスムーズです。
3-2.デザインとコンテンツ制作
ユーザー体験を意識したデザインを制作します。ブランドカラーやフォントを見直し、写真やイラストなどのビジュアル要素を整えます。コンテンツ制作では、ユーザーの課題解決につながる情報を整理し、見出しや段落を工夫して読みやすい構成にします。
3-3.開発・実装とテスト
CMSやフレームワークを選定し、デザインを実装します。レスポンシブ対応によりスマホやタブレットでも快適に閲覧できるようにします。公開前にはブラウザチェックやリンク切れチェック、フォーム動作確認などのテストを行い、問題がないかを確認します。
3-4.公開と運用フェーズ
公開時には旧URLから新URLへリダイレクト設定を行い、検索エンジンの評価を引き継ぎます。公開後はアクセス解析で成果を定期的に確認し、コンテンツの更新や施策の改善を繰り返します。問い合わせ対応やサーバー保守など運用体制も整えておきましょう。
4.予算と期間の目安
リニューアルの費用と期間は、サイト規模や機能要件によって変わりますが、中小規模のサイトであれば50万〜300万円程度、期間は2〜3か月が一般的です。
4-1.費用内訳(デザイン/開発/運用)
デザイン費はサイトの規模やオリジナル性によって20万〜100万円程度、開発費は機能の複雑さによって20万〜150万円程度が目安です。CMSの導入やフォーム機能などの追加により費用が変動します。運用費は月額数万円からで、保守やアクセス解析ツールの費用が含まれます。
4-2.期間の考え方
企画・要件定義に2〜4週間、デザインとコンテンツ制作に4〜6週間、開発・テストに4〜6週間を見込むと、全体で2〜3か月程度になります。関係者の確認や修正期間を含めて余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。
4-3.ホームページリニューアル概算シミュレーション
5.委託先の選び方と比較
リニューアルを自社で行うか、制作会社やフリーランスに依頼するかは、予算や社内リソースによって異なります。以下の比較表で各選択肢の特徴を整理します。
項目 | 社内制作 | 制作会社 | フリーランス |
---|---|---|---|
コスト目安 | 50万〜100万円(人件費中心) | 80万〜300万円(パッケージ化) | 30万〜150万円(案件ごとに変動) |
品質・実績 | 社内ノウハウに依存 | 実績豊富で安心 | 個人差が大きい |
スピード | 他業務と並行のため遅め | 専任チームで効率的 | 調整次第で迅速 |
コミュニケーション | 社内で迅速 | 担当者を介して円滑 | 直接やり取り |
主なメリット | コストを抑えやすい | 専門性が高く安心感がある | 柔軟で小回りが利く |
主なデメリット | 専門知識が不足しがち | 費用が高くなる場合がある | 品質がばらつくことがある |
制作会社は実績や専門性が高く、デザインやシステムの品質を重視する場合に適しています。フリーランスは柔軟さとコストメリットがありますが、品質のばらつきが懸念されます。社内制作はコストを抑えやすいものの、専門知識やリソースが不足しやすいため、小規模な改修や運用保守に向いています。自社の目的やリソースに合わせて最適な方法を選びましょう。
6.失敗例と成功のポイント
リニューアルの失敗は、目標設定や事前準備の不足から生じることが多いです。
6-1.よくある失敗パターン
目的があいまいなままデザインを変更してしまうと、リニューアルの成果が測れず改善点も分かりません。
スケジュールがタイトすぎると品質が担保できず、公開後に不具合が発生することがあります。また、SEOやリダイレクト設定を行わないまま公開すると、検索順位が低下する可能性があります。
リニューアル前のデータがないためリニューアル後の効果測定ができないこともあります。サイトのアクセス数やアクセス数に対してのコンバージョン率はGoogleアナリティクス等で取っておくことおすすめします。
6-2.成功事例から学ぶポイント
成功したプロジェクトでは、初期段階で目的とKPIを定め、関係者全員で共有しています。ユーザーテストを実施し、デザインやUIを改善することで、公開後に問い合わせ件数や売上が大きく伸びました。
進行管理や品質管理を徹底し、公開後もPDCAサイクルを回し続けることが成功の鍵です。
7.事例
7-1.化粧品ECサイトのリニューアル事例
リニューアル前のコンバージョン率が2.5%→コンバージョン率は4.8%まで改善
施策内容サイト全体のデザインと導線を見直し、商品検索機能を強化
月間売上は約3.2倍に向上
制作期間6か月
総費用約200万円
7-2.BtoB製造業サイトのリニューアル事例
リニューアル前の問い合わせ数が月10件→45件まで増加
製品情報を整理してHPに掲載
老朽化したコーポレートサイトをCMS化し社員で更新できるように
PVは1.8倍に増加
制作期間は4か月
費用は約150万円
7-3.自治体サイトのリニューアル事例
メニュー構成の見直しとスマホ対応を実施
サイト閲覧数が20%増加
ページ滞在時間は1.5倍
制作期間は3か月
8.まとめ
- リニューアルの目的とKPIを明確にし、現状分析と目標設定を丁寧に行う
- 企画から公開後の運用まで段階的に進め、余裕を持ったスケジュールと予算を確保する
- 制作方式は社内制作・制作会社・フリーランスの違いを理解し、自社のリソースに合った方法を選ぶ
- 失敗例を参考に、目的共有やユーザーテストを欠かさず、公開後も改善を続ける

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