ITOMとは

ITOM
読み: アイトム

ITOMとは、IT Operations Managementの略で、ITインフラの監視、障害対応

読み: アイトム

IT Operations Managementの略で、ITインフラの監視、障害対応、キャパシティ管理、構成管理などを統合的に扱うフレームワークである。サーバー、ネットワーク、クラウド環境を含むIT基盤全体の安定稼働を維持することが目的で、事業継続の土台を支える。

かんたんに言うと

ITインフラを「壊れてから直す」のではなく「壊れる前に気づいて対処する」ための管理手法である。サーバーやネットワークの稼働状況を常に監視し、異常があれば自動で通知する仕組みを含む。

監視から障害対応まで束ねるITOMの四つの管理領域

ITOMは複数の管理領域を束ねた概念で、主に四つの柱で成り立っている。
まずMonitoring。サーバーのCPU使用率、メモリ消費量、ディスク容量、ネットワークのトラフィックなどをリアルタイムで収集し、閾値を超えたらアラートを発報する。Zabbix、DatadogPrometheus+Grafanaあたりが現場でよく使われるツールである。
次にイベント管理。大量のアラートから本当に対応が必要なものを抽出する。監視ツールが1日に数千件のアラートを吐くのは珍しくなく、その大半はノイズである。重要度の判定と集約を自動化しないと、運用チームが疲弊する。
三つ目がキャパシティ管理。リソースの使用トレンドを分析し、いつ増設が必要になるかを予測する。クラウド環境ではオートスケーリングが使えるとはいえ、コストの上限設定を誤ると月末に請求書を見て驚くことになる。
最後に構成管理。サーバーの台数、OSのバージョン、インストールされているミドルウェア、ネットワークのトポロジーを正確に把握する。これが崩れると、障害発生時に影響範囲の特定すらできない。

ITSMとの違いと補完関係

ITOMとよく混同されるのがITSMである。両者の違いは視点の高さにある。
ITOMはインフラの「物理的な状態」を管理する。サーバーが動いているか、ネットワークに障害がないか、ディスクは足りているか。対象は機器やソフトウェアそのものである。
一方ITSMは「サービスとしてのIT」を管理する。利用者からの問い合わせ対応、変更要求のワークフロー、障害の根本原因分析。対象はITを使う人間と、その人間に提供するサービスの品質である。
現場では両者は密接に連携する。ITOMが検知した障害は、ITSMのインシデント管理プロセスに引き渡される。ITOMが「サーバーAのディスク使用率が95%に達した」と通知し、ITSMが「影響を受けるサービスは何か」「どのチームが対応するか」を判断する。片方だけでは回らない。

AIOpsとの融合が進む理由

ITインフラの規模が拡大するにつれ、人手による監視と障害対応は限界に近づいている。マイクロサービス化が進めば、監視対象のコンポーネント数は数百から数千に膨れ上がる。Kubernetesクラスタの中でPodが動的に増減する環境では、静的な閾値ベースの監視が通用しない。
ここでAIOpsが登場する。過去の障害パターンを機械学習で学習し、異常の兆候を閾値に頼らず検知する。大量のアラートを自動で相関分析し、根本原因の候補を絞り込む。さらには障害の自動修復まで視野に入る。
とはいえ、AIOpsを導入すれば運用が自動化されるわけではない。学習データとなる過去の障害記録が不十分であれば、AIの判断精度は上がらない。監視対象の構成情報が正確に管理されていなければ、相関分析の前提が崩れる。ITOMの基盤が整っていてこそ、AIOpsは機能する。

クラウドとハイブリッド環境での運用課題

オンプレミスだけの時代は、監視対象が物理サーバーとネットワーク機器に限定されていた。いまはAWS、Azure、GCPのマルチクラウド環境に加え、オンプレミスとクラウドが混在するハイブリッド構成が当たり前になっている。
この環境でITOMを回すには、異なるクラウドベンダーの監視データを一元的に集約する仕組みが必要になる。各ベンダーが提供するネイティブの監視ツールは自社環境の可視化には優れているが、他のベンダーやオンプレミスのデータは拾えない。ServiceNow IT Operations ManagementやBMC Helixといった統合プラットフォームが使われるのはこのためである。
運用チームに求められるスキルも変わってきた。物理サーバーのラック配線やOS設定だけでなく、Terraformによるインフラのコード管理、DevOpsパイプラインとの連携、コンテナ環境のオブザーバビリティ設計まで守備範囲が広がっている。

導入と運用定着のための現実的な進め方

ITOMの導入でまず手をつけるべきは、監視対象の棚卸しである。いまどのサーバーが何台あり、どのサービスがどの基盤の上で動いているか。これを正確に答えられない組織は少なくない。構成管理データベースが存在しても、3か月前の情報で止まっているケースは珍しくない。
棚卸しが終わったら、監視の優先順位をつける。事業への影響が大きいシステムから先に監視を整備し、アラートの閾値と通知先を設定する。全てを同時にやろうとすると、アラートの洪水に飲まれて本当に重要なインシデントを見逃す。
運用プロセスの定義も欠かせない。アラートが上がったら誰が一次対応するのか。エスカレーションの基準は何か。SLAで定められた復旧時間を守るための体制は組めているか。ツールの導入だけで安心してはいけない。ツールが拾ったアラートに対して人間がどう動くかまで決めておかないと、深夜3時のアラートを誰も見ていなかった、という事態が起きる。

当社の見解

当社はAIプロダクトの戦略設計から開発・運用まで一気通貫で手がけている(2026年4月現在、37社以上の実績)。外部ベンダーに依存せず全工程を自社で完結させることで、「仕様を伝える→見積もりを待つ→修正を依頼する」というやり取りのコストをゼロにした。AIの導入で最も時間を食うのは技術の実装ではなく、自社の業務プロセスを言語化する作業だ。ここを省略すると、どんなに優秀なツールを入れても使い物にならない。

同じ失敗を二度としないAIエージェント

今のAIは、聞けば何でも答えてくれます。
でも、セッションが切れた瞬間に前回の失敗を忘れます。

当社が開発しているAIは、過去の経緯を念頭に置いて、
聞かれる前に「それは前回うまくいきませんでした」と声をかけます。
人間にも同じ失敗をさせず、AI自身も繰り返しません。

古参の社員が横にいるように、黙っていても気づいてくれる。
それが、当社が考える本当のAI社員です。

相談する