要件定義
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要件定義とはAI導入を成功に導く設計
AIプロジェクトにおける要件定義はビジネスの目的設定と必要なデータ要件およびモデルの評価指標を明確化するプロセスである。通常のシステム開発とは異なり確率論で動くAIの不確実性を前提としたゴール設定が求められる。
かんたんに言うと
料理に例えるならどんな客に何のコースを出すか決め冷蔵庫の食材を確認し塩加減の合格ラインをシェフとすり合わせる作業といえる。
確率で動くAIに従来のシステム開発の要件定義が通用しない理由
通常のシステム開発における要件定義は画面のレイアウトやデータベースのテーブル設計を決めるもの。だが機械学習を組み込むプロジェクトでは全く通用しない。
なぜか。
AIは確率の産物だからである。入力に対して常に同じ出力を返すわけではない。だからこそPoCの段階で何を予測しどの程度の精度が出ればビジネスとして成立するのかを定義しなければならない。
現場でよく見る惨状がある。ベンダーが精度90パーセントを目指しますと息巻いてスタートしたものの現場のオペレーションに組み込めずお蔵入りするパターンである。精度だけを追う要件定義は確実に失敗する。ビジネスインパクトと技術的な実現可能性のバランスをどう取るか。ここは常に悩ましい。
物流や製造におけるAI要件定義の実践例と活用ツール
物流倉庫の需要予測や製造ラインの不良品検知を想像してほしい。ここでDataRobotやAmazon SageMakerを導入すれば解決すると思っているケースが散見される。
ツールは魔法ではない。
Azure Machine Learningを使って高度なモデルを構築する前に決めるべきことがある。不良品を見逃すコストと正常な製品を不良品と誤判定するコストのどちらが重いかに懸かっている。製造業の現場ではこの閾値の設定がプロジェクトの命運を分ける。現場の作業員がどうAIの判定結果を受け取るのか。そのインターフェースまで含めて要件を詰め切れるかどうかが問われる。
AI要件定義を徹底するメリットと開発特有の限界
要件定義を徹底すれば手戻りは減る。しかしAI開発特有の限界も理解しておく必要がある。
データが全てである。
どんなに優れたアルゴリズムを用意しても入力するデータの品質が低ければゴミしか出力されない。アジャイル開発の手法を取り入れモデルの構築と評価を短いサイクルで繰り返すのが現実的なアプローチになる。
ただしどこまで精度を上げれば実運用に耐えるのか。この見極めは本当に判断が分かれる。100パーセントの精度を求める現場部門と確率論で語るデータサイエンティストの溝をどう埋めるか。泥臭い調整作業が待っている。
自社でAI導入を進めるための要件定義チェックポイント
自社でプロジェクトを立ち上げる際マネージャー層は何を見るべきか。
まずはデータ基盤の整備状況である。Snowflakeのようなクラウドデータプラットフォームに分析可能なデータが蓄積されているか。CSVファイルをかき集める段階ならAIの前にデータエンジニアリングが必要になる。
次にKPIとKGIの連動である。モデルの精度向上がどう売上増加やに直結するのか。このロジックが破綻しているプロジェクトは投資する価値がない。AIを使うこと自体が目的化していないか。今一度立ち止まって問い直してほしい。結局のところ技術の前にビジネスの基本が問われているだけに過ぎない。
当社の見解
AIプロダクトの導入で最も時間を食うのは技術の実装ではない。自社の業務プロセスを言語化する作業だ。ここを省略すると、どんなに優秀なツールを入れても使い物にならない。当社は企画から開発・運用まで全工程を自社で完結させることで、仕様伝達のロスをゼロにしている。理想は阿吽の呼吸で仕事ができるAIパートナーだ。間違った判断をしようとしたときは、忖度なく意見をくれる。それが信頼できる仕事の相棒だ。
同じ失敗を二度としないAIエージェント
今のAIは、聞けば何でも答えてくれます。
でも、セッションが切れた瞬間に前回の失敗を忘れます。
当社が開発しているAIは、過去の経緯を念頭に置いて、
聞かれる前に「それは前回うまくいきませんでした」と声をかけます。
人間にも同じ失敗をさせず、AI自身も繰り返しません。
古参の社員が横にいるように、黙っていても気づいてくれる。
それが、当社が考える本当のAI社員です。
