インプロセス・ベクトル検索とは

IN PROCESS VECTOR SEARCH
読み: インプロセスベクトルケンサク

インプロセス・ベクトル検索とは、アプリケーションと同一プロセス内でベクトル類似度検索を実行する方式である

読み: インプロセスベクトルケンサク

アプリケーションと同一プロセス内でベクトル類似度検索を実行する方式である。外部サーバーを必要とせず、ライブラリとしてアプリケーションに組み込むだけで動作する。常駐プロセスが不要なためアイドル時のCPU・メモリ消費がゼロに近く、個人PC環境でのAI開発に適している。

かんたんに言うと

普通のベクトル検索はデータベースサーバーを別に立てて、そこに問い合わせる。インプロセス型は、自分のプログラムの中に検索エンジンを直接埋め込む。サーバーの起動も管理も不要で、プログラムが動いている間だけ検索が動き、終われば何も残らない。

サーバー型ベクトル検索との違い

ベクトルデータベースの多くは、Dockerやクラウドサービスとして常駐するサーバー型である。Pinecone、Weaviate、Qdrantがこれに該当する。サーバー型は大規模データの分散処理やマルチユーザーアクセスに強いが、常時起動しているためCPUやメモリを消費し続ける。

インプロセス型は、PythonやRustのライブラリとしてimportするだけで使える。LanceDBDuckDB(vss拡張)、Chroma(ローカルモード)が代表例である。プロセス終了時にメモリが解放されるため、バッチ処理やCLIツールとの相性がよい。

ローカルAI開発における位置づけ

ローカル環境でAIシステムを運用する場合、常駐プロセスの数がリソースのボトルネックになる。LLMの推論エンジン、エンベディングモデル、ベクトルデータベースがそれぞれ常駐すると、一般的なデスクトップPCではCPU・GPUの大半が占有される。

インプロセス型に切り替えれば、検索が必要なタイミングでのみライブラリを呼び出し、処理完了後にメモリを解放できる。RAGパイプラインにおいても、検索フェーズだけインプロセスで実行し、生成フェーズはOllama等の推論エンジンに渡す構成が可能となる。

導入時の注意点

インプロセス型はシングルプロセス前提の設計が多く、複数のアプリケーションから同時にアクセスする用途には向いていない。また、インデックスの永続化はディスクファイルに依存するため、大規模データではI/O性能が律速になる場合がある。数百万件規模のベクトルを扱う場合はサーバー型を選択すべきである。

一方、数万〜数十万件規模であれば、ディスクベースのインプロセス検索でも十分な応答速度が得られる。用途に応じてサーバー型とインプロセス型を使い分ける判断が必要となる。

当社の見解

当社はインプロセス・ベクトル検索を、常駐プロセスゼロの記憶システム再構築の過程で実環境評価した。HindsightDocker常駐でCPU 50%占有)の経験から、「使わないときにリソースを消費しない」設計を最優先方針とし、FAISS(37,700スター、Meta製)、LanceDB(9,800スター、YC支援)、ChromaDB(27,200スター)、USearch(4,000スター、1MB未満)の4製品を比較検証。最終的にFastEmbed + LanceDBの組み合わせを選定し、1,655件の記憶データに対して検索レイテンシ8ms、GPU不要・常駐プロセスなしを実現した。

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