売上・広告・問い合わせ・購入のデータを1つの画面に集め、会議で判断するマーケティングDXのイメージ

マーケティングDXとは?数字を見ながら、迷わず決められる会社にすることです

マーケティングDXとは、難しいツールをたくさん入れることではありません。
売上、広告、問い合わせ、購入などの数字を見ながら、「次に何をするか」を会議で決められる状態にすることです。
この記事では、専門用語をできるだけ使わずに、マーケティングDXの考え方をやさしく説明します。

マーケティングDXとは何か

マーケティングDXとは、マーケティングに関する数字を集めて、会社の判断に使えるようにする取り組みです。
たとえば、次のような判断を数字を見ながら決められる状態を目指します。

  • 来月の広告費を増やすべきか、減らすべきか
  • どの商品に予算を集めるべきか
  • どの集客方法が利益につながっているか
  • 続ける施策と止める施策をどう分けるか

ポイントは、数字を集めること自体ではありません。
集めた数字を見て、会議で次の一手を決められることが大切です。

ツールを入れただけではDXではありません

GA4、GTM、BigQueryなどの名前を聞くと、「それを入れればDXになる」と思われることがあります。
しかし、ツールを入れただけでは、まだDXとは言えません。

たとえるなら、体重計を買っただけで健康になるわけではないのと同じです。
体重計に乗り、数字を見て、食事や運動を変えて初めて意味があります。
マーケティングも同じで、数字を見て行動を変えるところまで進んで、初めてDXに近づきます。

ツールは大事です。
ただし、ツールはあくまで数字を集めるための道具です。
会社の判断を変える仕組みまで作ることが、マーケティングDXです。

マーケティングDXに必要な3つの条件

マーケティングDXができているかどうかは、次の3つで確認できます。

マーケティングDXに必要な3つの条件。必要な数字がいつでも見られる、会議で見やすい画面がある、見る数字を絞っている

条件1. 必要な数字がいつでも見られる

売上、問い合わせ、購入、広告、サイト訪問などの数字が、自動でたまり、必要なときに見られる状態です。
毎回だれかに集計を頼み、数日待たないと数字が出ない状態では、会議の判断が遅くなります。

まずは「判断に必要な数字が、欠けずに集まっているか」を確認することが大切です。

条件2. 会議で見やすい画面がある

数字が集まっていても、見る場所がバラバラだと判断できません。
広告の数字は広告管理画面、売上は別のシステム、問い合わせはスプレッドシート、という状態では、会議で話がまとまりにくくなります。

経営会議やマーケティング会議で見るための画面を1つ用意し、全員が同じ数字を見ながら話せる状態にします。

条件3. 見る数字を絞っている

数字は多ければよいわけではありません。
10個も20個も指標が並ぶと、結局どれを見て判断すればよいのか分からなくなります。

会議で見る数字は、できれば3つ以内に絞ります。
「売上に効いているか」「利益につながっているか」「続けるべきか」が判断できる数字に絞ることで、会議の結論が出やすくなります。

経営会議はどう変わるのか

マーケティングDXが進むと、会議の中身が変わります。
感覚や経験だけで話すのではなく、同じ数字を見ながら判断できるようになります。

マーケティングDXによって予算を決めやすくなり、止める判断や説明がしやすくなり、会議の持ち越しが減る

予算の使い方を決めやすくなります

「広告に追加で100万円を使うべきか」「SEOに回した方がよいか」「展示会に使うべきか」を、成果の数字を見ながら比べられます。
勘だけで予算を決める状態から抜け出しやすくなります。

止める判断がしやすくなります

うまくいっていない施策は、続けるほどお金と時間を使います。
数字で効果が見えるようになると、「これは続ける」「これは止める」という判断がしやすくなります。

説明しやすくなります

取締役会、銀行、社内の他部署に対して、「Web施策がどれくらい売上に貢献したか」を説明しやすくなります。
PVや順位だけではなく、売上や問い合わせにつながった数字で話せるようになります。

会議の持ち越しが減ります

数字がその場で見られると、「次回までに調べます」が減ります。
会議中に判断できることが増え、意思決定のスピードが上がります。

Web改善からDXへ進む3ステップ

Webサイトの改善やCV改善は、マーケティングDXの入り口になります。
ただし、サイトの数字を良くするだけで終わると、DXまでは届きません。
次の3ステップで、会社の判断に使える仕組みに育てていきます。

何を判断したいか決める、必要な数字を集める、会議で使うというWeb改善からDXへ進む3ステップ

ステップ1. 何を判断したいのかを決める

まず、「どの商品の予算を増やすか」「どの集客方法を伸ばすか」「どの施策を止めるか」など、会議で決めたいことを先に決めます。
そのうえで、判断に必要な数字を洗い出します。

先にツールを入れるのではなく、先に判断したいことを決めるのが大切です。

ステップ2. 必要な数字を集める

次に、サイト訪問、問い合わせ、購入、広告費、売上などの数字を集めます。
GA4はサイトで起きたことを見るための道具です。
GTMはクリックやフォーム送信などを記録するための道具です。
BigQueryは集めたデータをためておく大きな保管場所です。

難しい名前が出てきますが、目的はシンプルです。
「判断に必要な数字を、後から見返せるように残すこと」です。

ステップ3. 会議で使う

最後に、集めた数字を会議で使います。
ここまで進んで初めて、マーケティングDXとして意味を持ち始めます。

ダッシュボードを作って終わりではありません。
その数字を見て、予算を移す、施策を止める、次の改善を決めるところまでつなげます。

たとえばECサイトなら、こう考えます

商品Aと商品Bがあるとします。
商品Aは、広告費、購入数、売上、利益まで分かっています。
でも商品Bは、購入数だけ分かっていて、売上や利益が分かっていないとします。

この状態では、「来月は商品Aと商品Bのどちらに広告費を使うべきか」を決められません。
比べるための数字がそろっていないからです。

マーケティングDXでは、このような数字の抜けを減らし、商品ごと、集客方法ごとに比べられる状態を作ります。
そうすることで、会議で迷わず判断しやすくなります。

まず何から始めるべきか

最初にやるべきことは、いきなり大きなシステムを作ることではありません。
まずは、今の会議で決められていないことを1つ選びます。

  • 広告費をどこに使うべきか決められない
  • どの集客方法が売上につながっているか分からない
  • 問い合わせは増えているが、利益につながっているか分からない
  • 施策を続けるか止めるか決められない

このような悩みを1つ選び、その判断に必要な数字をそろえるところから始めます。
小さく始めても、会議で判断できるようになれば、それはマーケティングDXの第一歩です。

決められないことを1つ選び、必要な数字をそろえ、会議で決めるマーケティングDXの始め方

まとめ

マーケティングDXとは、マーケティングの数字を集めるだけではなく、その数字を使って会社の判断を変えることです。
ツールを入れることが目的ではありません。
会議で「続ける」「止める」「予算を移す」を決められる状態にすることが目的です。

まずは、必要な数字を集めること。
次に、会議で見やすい画面にまとめること。
そして、見る数字を絞り、実際の判断に使うこと。
この3つがそろうと、マーケティングDXは現場で使える仕組みになります。

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これを書いた著者

小長谷直登のイメージ
株式会社ユニバーサルマーケティング代表取締役|ビジネスアナリスト
小長谷直登
株式会社ユニバーサルマーケティング代表。マーケティングに必要なプロダクトを自ら作り、コンサルし、成果を出す。BigQueryによるデータ統合基盤の構築、ローカルLLMによる機密データのAI処理、AI長期記憶システムの開発を手がけ、上場企業を含むマーケティング戦略設計とAIプロダクト開発を支援。このサイトでは、マーケティング実務とAIプロダクト開発の現場から得た実践知を発信しています。
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