BigQueryの費用を、小さく始める1〜15万円と本格的に作る60〜800万円で比較した図解

BigQueryの費用はいくら?安く始める前に確認したいこと

BigQuery(ビッグクエリ)は、Webサイト、広告、問い合わせ、売上などのデータをまとめて保管する場所です。構築費が1万円台の見積もりもあれば、数百万円の見積もりもあります。この差は、BigQueryの値段だけではなく、どこまでデータをつなぎ、何を判断できる状態まで作るかの違いです。

BigQueryの費用は、作る範囲で大きく変わります

先に結論をお伝えすると、この記事で扱う構築支援の目安は、大きく2つに分かれます。

データを保存・表示する構築

1〜15万円

期間の目安: 約1週間

  • GA4のデータをBigQueryへ保存します。
  • 問い合わせ数やページ閲覧数を集計します。
  • 営業・契約・売上データとの連携は、別作業になることが一般的です。
経営判断に使うデータ基盤

初期60〜800万円

期間の目安: 1.5〜2ヶ月 / 保守: 月10〜50万円

  • GA4、広告、問い合わせ、CRM、売上などをつなぎます。
  • 顧客ごとの受注、LTV、広告の費用対効果を確認できます。
  • 追加データや新しいレポートへ広げやすい土台を作ります。

ここでの金額は、GoogleのBigQuery利用料だけではありません。データ設計、GA4・広告・CRMとの連携、レポート作成、セキュリティ、運用支援を含む構築費の目安です。実際の金額は、データの種類、会社数、サイト数、更新頻度、保守範囲によって変わります。

まず「どこまで作るか」をそろえます

同じ「BigQuery構築」という名前でも、作業の中身が違えば金額も変わります。見積もりを比べるときは、金額の前に作業範囲をそろえてください。

確認すること データを保存・表示する構築 経営判断に使うデータ基盤
主な目的 GA4データの保存と簡単な集計 広告、問い合わせ、受注、売上をつないだ判断
主なデータ GA4 GA4、広告、CRM、基幹システム、売上
分かること ページ閲覧数、問い合わせ数、購入数 受注率、顧客LTV、広告の売上貢献、事業別の利益
追加しやすさ 設計によっては作り直しが必要です。 土台を使って機能を追加できます。
依頼前の確認 保存期間と集計内容 データをつなぐID、同意管理、共通ルール

低価格の構築が合う場合もあります

目的が「GA4のデータをBigQueryへ保存したい」「問い合わせ数を簡単に見たい」までなら、1〜15万円の構築でも目的を満たせる場合があります。低価格だから悪いのではありません。将来どこまで分析したいかを伝えず、別の範囲の見積もり同士を比べることが問題です。

安い見積もりで抜けやすい5つの土台

将来、広告と売上をつないだり、顧客ごとのLTVを見たりしたい場合は、次の5つを発注前に確認します。あとから追加できる仕組みもありますが、追加前の期間に保存していなかったデータは、取り戻せない場合があります。

1

問い合わせと売上をつなぐ顧客ID

ないと困ること

問い合わせた人が商談や受注につながったか分からず、広告やSEOの本当の売上貢献を比べられません。

依頼先に聞くこと

lead_id、customer_id、order_idなど、Webサイト・CRM・売上をつなぐ番号は作業範囲に入っていますか。

2

広告クリックを見分けるID

ないと困ること

どの広告やキーワードから来た人が受注したのか分からず、問い合わせ単価だけで広告を判断することになります。

依頼先に聞くこと

gclid、gbraid、fbclidなどをフォーム送信時に保存し、CRMや売上データへつなげられますか。

3

最初にどこから来たかの記録

ないと困ること

最初に見た広告や記事と、その後の問い合わせ・受注をつなげられません。再訪した人のきっかけも分かりにくくなります。

依頼先に聞くこと

初回流入元やUTM情報を、GA4だけでなくCRM側にも残せますか。途中の訪問で上書きされませんか。

4

Cookieやデータ利用への同意状態

ないと困ること

ユーザーが何に同意した状態でデータを取得したか確認できず、広告や分析データの利用範囲を説明しにくくなります。

依頼先に聞くこと

analytics_storageなどの同意状態を、サイトとBigQueryの両方に記録しますか。法務確認が必要な範囲も整理しますか。

5

データ名と集め方の共通ルール

ないと困ること

サイトや事業ごとに項目名がばらばらになり、全社の売上や広告効果を1つのレポートへまとめにくくなります。

依頼先に聞くこと

dataLayer設計書や命名ルールを作りますか。誰が項目を追加し、変更履歴を管理しますか。



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小さく始めても、土台は最初に作ります

最初から高度な予測や大きなダッシュボードを作る必要はありません。費用を抑えるなら、機能を減らしながら、あとで必要になる土台は残します。

1

5つの土台を作ります

ID、流入元、同意状態、共通ルールを最初に決めます。

2

必要な数字から見ます

まずは問い合わせ数、受注数、売上など、会議で使う数字に絞ります。

3

必要になったら広げます

LTV分析、失注予兆、予測モデルなどを土台の上へ追加します。

この順番なら、最初の費用を抑えながら、将来の作り直しを減らせます。「全部作るか、何も作らないか」ではなく、土台と追加機能を分けて見積もることが大切です。

初期費用だけでなく、3年総額も見ます

運用を外部へ依頼する場合は、初期構築費だけでなく、保守費を含めた総額を確認します。元記事の2つの例を3年間で計算すると、次のようになります。

小規模の例

初期100万円 + 月10万円 × 36ヶ月

460万円

中規模の例

初期300万円 + 月30万円 × 36ヶ月

1,380万円

月額費用には、データの保管・処理料金だけでなく、GA4などの仕様変更、新しいデータの追加、レポート改善、エラー監視を含む場合があります。見積書では、クラウド利用料と作業費を分けてもらうと比較しやすくなります。

依頼先には、この3つを聞きます

専門用語をすべて理解しなくても、次の3つを聞けば、見積もりの違いを比べやすくなります。

1

5つの土台は入っていますか

入っている項目、入っていない項目、追加費用を見積書や要件定義書へ書いてもらいます。

2

納品時に何を見せてもらえますか

設定画面だけでなく、テストデータが入り、問い合わせと売上がつながることを確認できるか聞きます。

3

運用開始後は誰が直しますか

仕様変更、エラー、新しいデータ追加への対応範囲と、月額費用に含まれる作業を確認します。

2つの事例から分かること

当社の支援・相談事例では、最初に土台を入れた場合と、あとから不足へ気づいた場合で、次の違いがありました。

BtoB SaaS

最初の1.5ヶ月で土台を作った例

顧客IDなどの5項目を最初に組み込みました。半年後にはLTV予測を経営会議で使えるようになり、広告予算を感覚ではなく数字で話せる状態になりました。当社の記録では、初期投資は半年で回収できました。

EC事業者

10万円台で始め、あとから作り直した例

1年後に広告クリックIDが保存されていないことが分かり、過去1年分の広告と顧客を十分につなげられませんでした。再構築に120万円かかり、保存していなかった期間のデータは取り戻せませんでした。

違いは、依頼先の会社規模だけではありません。発注時点で、将来必要になる土台が作業範囲に入っていたかどうかです。

よくある質問

1〜15万円のBigQuery構築でも問題ありませんか?

目的がGA4データの保存や簡単な可視化であれば、合う場合があります。将来、広告と売上をつないだ分析まで行う予定がある場合は、5つの土台を最初に確認してください。

BigQueryそのものに60〜800万円かかるのですか?

いいえ。この記事の金額は、クラウド利用料だけではありません。データ設計、各サービスとの連携、レポート、セキュリティ、保守を含む構築支援の目安です。

最初は安く始めて、あとから機能を追加できますか?

追加できる機能は多くあります。ただし、計測開始時に保存していなかったIDや同意状態などは、過去にさかのぼって取り戻せない場合があります。土台を先に作り、その上へ機能を追加します。

月額の保守費は必ず必要ですか?

必要な範囲は運用方法によって変わります。自社で保守できる場合は抑えられますが、仕様変更、データ追加、レポート改善、エラー監視を外部へ依頼する場合は月額費用を見込みます。

まとめ

  • BigQueryの費用差は、BigQuery自体の値段より、作る範囲の違いで生まれます。
  • 低価格の構築が目的に合う場合もあります。将来の分析範囲まで伝えて選びます。
  • 顧客ID、広告クリックID、初回流入元、同意状態、共通ルールの5つは、発注前に確認します。
  • 初期費用だけでなく、保守を含む3年総額と、月額費用に含まれる作業を比べます。

見積もりを依頼するときは、「安いか高いか」だけでなく、何が含まれ、納品後に何を判断できるのかを確認してください。

自社に必要な範囲と費用の目安を確認します

7つの質問に答えると、必要な構築レベルと、フリーランス・専門会社へ依頼する場合の費用目安を確認できます。

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これを書いた著者

小長谷直登のイメージ
株式会社ユニバーサルマーケティング代表取締役|ビジネスアナリスト
小長谷直登
株式会社ユニバーサルマーケティング代表。マーケティングに必要なプロダクトを自ら作り、コンサルし、成果を出す。BigQueryによるデータ統合基盤の構築、ローカルLLMによる機密データのAI処理、AI長期記憶システムの開発を手がけ、上場企業を含むマーケティング戦略設計とAIプロダクト開発を支援。このサイトでは、マーケティング実務とAIプロダクト開発の現場から得た実践知を発信しています。
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